ルネッサンス 再生への挑戦

ルネッサンス ― 再生への挑戦

ルネッサンス ― 再生への挑戦

自動車業界にいる者にとって、カルロス・ゴーンに興味を持っている人は少なくないだろう。私も、その内の一人だ。

本書では彼のルーツが書かれている。ブラジルに生まれて、フランスの大学に入り、そして、フランスのタイヤ大手ミシェランへ。ルノーへの転職、日産自動車社長になるまでの彼の半生を知る為にはとてもいい本だ。

本書では、「クロス・ファンクショナル・チーム(CFT)」が頻出している。昔ながらの慣習を変え、マーケティング、販売、R&D、購買、製造等がチームを組み自社が抱える問題点を解決していくことで、競争力を高める、とういものだ。

気になったことを下に記しておきたい。

P186「ぬるま湯に浸かって死を待つのか」「過去にどうやってきたかはどうでもいいことです。私が聞きたいのは、これからどうするつもりかということです。」→これは日々の仕事において、自問自答していきたいと思う。

P253〜254 「思考と言語」「その問題について語るとき、あなたが選んだその言語で、どれだけうまく意思が伝わりますか?メッセージははっきり伝わりますか?もっと肝心なことですが、あなたの話には意味があるのですか?」→私は日本語と英語(まだまだ修行が必要)を仕事で使うが、伝えたいことが自分でわかっていないと、どちらの言語でも伝えることができない。どうしても必要な場合は、専門の通訳を入れたらいいだけで、英語を話すことは手段であって、仕事そのものでは無い。我々はそもそも業界のプロであって、通訳ではない。相手にどう伝えるか、それは意味がある発言なのか。それを整理して、英語を使う電話会議では発言していきたいと思っている。