自分のいのちは自分で決める

バイオエシックス(生命倫理)が専門の著者が、「人生をバイオエシックスで旅をしてみませんか。」と説く本です。

生を受けたものには必ず死がくる。Journey (ジュール Jourからきているらしい)、旅、1日1日を大切に生きたいと思える本だ。

本書を読み進めていくにあたり、この本は、クローン、人工授精、遺伝子、尊厳死脳死、臓器移植等を例に取り、命について、倫理的観点から書かれていることがわかる。

著者の海外経験、特にアメリカでの経験から、「アメリカでは○○」「日本では△△」といった事例が多様される。世の中すべてがアメリカだけではないと思うが、医療に対する考え方、医師や患者の考え方を含め、日本はアメリカに比べ遅れているのかと愕然とさせられた。

最近医師に対して不信感を持つことがある。医療ミスの多発。患者に対する見下した態度等。

本書のP203の中で、「患者の価値観あるいは人生観を本当によく聞いてくれる医師、権威主義でなく、医療を恵みとして上から与えるのではなく、信頼関係のなかで、患者とともに歩んでくれる、そういう医師であってほしい、と願っているわけです。」とある。

アメリカがすべてのことにおいて優れているとは思わないが、ビジネスでも医療でも、アメリカから学ぶことはまだまだ多いのも事実。これを感じさせられる本だ。

本書の内容は少し重い内容だったが、私たちの命と向き合うのに、とっても大切な本だと思う。